【洋書レビュー】『The Creative Act: A Way of Being』がかっこ良すぎる✨

 

1. 『The Creative Act: A Way of Being』by Rick Rubin

2. オーディオブックについて

配信日(Audible):2023/1/17

再生時間:5時間 45分

ナレーター:Rick Rubin (著者)

著者本人の朗読で聴きやすい。内容をしっかり聴きたかったので、1.05倍で聴いた。チャプターとの間にチーンと鈴 (りん)の音が聴こえてくる。本では味わえない体験が出来るのも、オーディオブックの魅力。

3. 本の概要

この本は、伝説の音楽プロデューサーである Rick Rubin (リック・ルービン)によって書かれたもの。創造性やアーティストの仕事についての洞察に焦点を当てている。ルービンは、アーティストが自分自身を見つけ、本当に提供出来るものを理解する手助けをすることで知られている。アーティストであることは、その具体的な作品や成果ではなく、自身の世の中との関係性であると言う。また彼は、創造性が誰にもあり、それを大きくすることが出来るとも言っている。本書は、ルービンの長年にわたる経験と知識を凝縮し、創造的な瞬間や人生を創り出す力を読者に提供している。

4. 評価 ★★★★★(5/5)

5. 感想

New york Timesのベストセラーの欄で見かけたり、Amazonでもランキングのトップにあったので、タイトル『The Creative Act: A Way of Being』に惹かれてオーディオブックで聴いてみる事にした。

最初の10分を聴いただけなのに、なんだこの本は!?カッコ良すぎる。よくある自己啓発本やHow To本とは何かが違う!?

誰が書いてるのか気になってしまい、著者についても調べてみた。

どうやら、Rick Rubin (リック・ルービン)という音楽プロデューサーらしく、Red Hot Chili Peppers (レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)やAdele (アデル)などの有名アーティストを多数手がけた人らしい。

彼が手がけたたくさんのアーティスト名は知っているし、彼らの音楽も聴いた事があるが、Rick Rubinという人については聞いた事がなかった。

まずは書かれていることをちょっと読んだだけで、いい本だと分かると思うので、本の一部を紹介する。

To create is to bring something into existence that wasn’t there before.

(「 創造する」ということは、そこには存在しなかったものをもたらすという事である。)

To live as an artist is a way of being in the world. A way of perceiving.

(芸術家として生きるということは、世の中に存在する方法であり、知覚する方法である。)

The imagination has no limits.
The physical world does.
The work exists in both.

(想像には限界がない。物理的な世界にはある。作品は両方に存在する。)

The goal of art isn’t to attain perfection. The goal is to share who we are. And how we see the world.

(アートの目的は完璧を成し遂げるものではない。目的は自分が何者であるか、そして我々がどのように世界を見ているかを共有する事だ。)

As artists, our mission is not to fit in or conform to popular thinking. Our purpose is to value and develop our understanding of ourselves and the world around us.

(私たち芸術家の使命は、一般的な考え方に適合したり従ったりすることではない。私たちの目的は、自己や周囲の世界への考え方を理解し、それを尊重して展開する事である。)

一部の引用を載せたが、たくさんハイライトしたい箇所があって、Kindle版を買った方がいいのではないかと思ってしまう程だった。

説明の例えがとても分かりやすいので、アーティストではない一般の人でも内容を理解しやすい。

例えば、”ガンパウダーやペニシリン、プラスチックは実験中にアクシデントで偶然発見された” と書かれており、アートも同じだという。

また、自己啓発などの本では、実験のデータや数字を引用して事実を語る事がよくあるが、この本はそういうのが全くない。

あくまでも、著者本人の経験や洞察が書かれているのだ。

話は変わるが、最近4歳の娘が絵を描いたりクラフトに夢中になっている。

絵の具で服や家具が汚れるし、片付けるのが面倒だとか考えて、ちょっとやめてくれと思ってしまうが、この本を読むと、今までとは見方が変わる。

娘の好きで楽しんでいることを、存分にさせてあげた方がいいのではないかと思えてきて、少しだけ寛大になれる自分がいるのだった。

私は音楽を作ったり、絵を描いたりするアーティストではないが、なぜか書かれていることがすごく心に響いた。

おそらく、この本の最初のチャプターのタイトルのように、"Everyone Is a Creator”だからだろう。

生きているということは、何かしらの自己表現していることだからなのだろう。

アーティストの人はもちろん、アーティストではない全ての人におすすめの本だ。

この本を読むと、今まで見ていたものの見方が全て変わる感じがする。

また聴き返したい本である。

日本語訳がまだ出ていないが、かなりいい本なので、英語版を今すぐ聴いて欲しい。

英語の単語が難しいので、電子版と合わせて聴くことをおすすめする。


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